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亘は何かつぶやいている。
（…聞こえないフリ…）
亘『始めから出来んだから、やりゃ良かったんだよ…』
（…ふざけるな…）
ｱﾀｼは普段怒鳴ったりしない。喧嘩ではなく、話し合いを心がけてきた…でももうそんな理性は働かない。
咲『…さっきから聞いてれば何なん！！！』
亘『…うるせーな。そんなデカイ声出して。怒鳴っても何の解決にもならないなんて言っていたのは、どこのどいつだょ！！』
亘は、その後も言い続けた。
咲『…もぅ分かった。亘の思うようにすればいぃょ。別れたいんでしょ？なら離婚しよ！』
そぅ告げて、携帯だけ持ち外に出た。
雪が降った路面は凍っていた。その中を悔し涙を流しながら何時間も歩いた。
何回か着信とメールが来た。全て尚が泣いてる。尚が話したがってる。だった。
フッと我に戻り、尚の母親として帰り道を急いだ。
（…尚…ごめんなさい…ｱﾀｼ尚の母親なのに最低だ…）
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