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空がオレンジ色に染まり、道行く人が帰路に向かう頃。
「ったく…服が破れたじゃんか。」
人があまり寄り付かない廃ビルから、うずくまっている男達を背に歩く一人の男が出てきた。
彼の名前は牧野 蜜柑(まきの みかん)
髪はややオレンジかかった茶系で短髪、背丈は低いががっしりとした体格で顔はどこか幼さを感じるような童顔の22歳。
今を生きるトラック野郎で、帰り途中に街の不良にからまれたのであった。
からまれた理由が、「ナンパに失敗したのを見て笑っただろ」と、因縁をつけてきたのだ。
蜜柑は思った事がすぐに顔に出てしまう性格の為、学生時代からよく先輩や他校の不良に目を付けられることが度々あった。
プルルル プルルル
携帯を取りだし、名前を見るとニヤリと笑い電話に出た。
「おう!……あぁ暇だから行くわ……あい、あい、じゃあね。」
ズボンのポケットに携帯をしまうと、蜜柑は足早にその場を去っていった。
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