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マスターは顎に右手を当て、ふむ…と少し考え目を瞑った。
「そうですねぇ、じゃあ少し変わったお話にしましょうか。」
そう言うと、再び違うグラスを取り磨き始めた。
「…これはわたしも昔知り合いから聞いたはなしなんですけれどね。」
―――昔々、この地球がまだ生まれたばかりの頃…
地球よりも遥か遠くに、地球と同じような青く美しい惑星が文明を築いていました。
その星の住人は我々と姿かたちは同じといえども、我々にはない特別な力を持っていたのです。
優秀な頭脳を持ち、高度な技術で様々な発明をし、それは今の地球でも歯が立たない程のようでした。
地球のように大気汚染や水質災害、自然環境を全く汚すこともなくそれだけの技術があるということは本当に素晴らしいことです。
しかし、それよりも彼らにはもっと素晴らしい特別な力がありました。
それは、魔法。
魔法というのは我々のイメージでしかありませんが、手から火を出し、重いものを空に浮かせ、さらには消えることも出来た、まさに夢物語に出てくる魔法そのもの。
彼らは高い知能とその特別な能力によって、惑星が生まれてからわずか1000年たらずで、惑星全土を完璧な住みやすい星に仕上げたのです。
「あ―……マスターわりぃ。」
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