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「あ~~~~ああ~~~!」
蜜柑は木から垂れていた蔓を掴みターザン……猿のように器用に木から木へと渡っていた。
林檎はその様子を見ながら下を全力疾走中。
(蔓を蔦ってって……マジで猿みたいだな。ここにきて退化したんじゃねぇか…?)
半ば呆れながらも負けられないと、速度を上げた。
「林檎め。羨ましそうに見てたな。ケケケ。オレが先に帰って林檎の分の飯も食ってやる。あ~~~~ああ~~~~~~~~~~~~~~~~!!」
悪魔の心を全開にした蜜柑は相変わらず蔓を蔦ってターザンのモノマネを止めなかった。
しかし、次の蔓を掴もうと空中に飛び出た時、蔓は短く蜜柑の指先を掠めて掴み損ねたのだった。
「あ……。ああぁぁあああ!!」
ひきつった顔を浮かべ、叫び声と共に小川へ消えていった。
大きな水しぶきを上げ、頭を押さえながら起き上がった所に林檎の膝げりが後頭部を貫いた。
「はがぱっ!!!」
「おぉ蜜柑。そんなとこいたらあぶねぇぞ?」
悶絶する蜜柑を置いて林檎は水筒の水を飲みながら走り去って行った。
「林檎…………ブッコロス!!!」
蜜柑は怒りを全快に。すると、身体中に薄く青色の靄がまとわりつき始めた。
ここにきて、怒りで『ネオ』無意識に発動。
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