時の歯車

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―――蜜柑が赤い服の少女と出会った同時刻。 林檎は授業を午前中に終え、一人で買い物をしていた。 一人暮らしの為、食生活のバランスが片寄らないように自炊をしているのだ。 カゴに次々と野菜を投げ入れ、値段のチェックもかかさない。 「なに?レタスが299円だと?!ふざけてるな。」 腕にしている時計を見ると家から少し離れたスーパーがタイムセールをしている時間ということに気付いた。 (今から急げば間に合うか…?) 林檎はすぐさま会計を済まし、そのスーパーへと向かった。 林檎のいる場所から目的の場所まで普通の道で行けば20分もかかるが、近道をして行くと10分で着くのだ。 しかし、その近道と言うのは墓地の中を通らなくてはならなく、街の不良や族がたまにたむろしている場所でもあった。 今日はいないでください。と願いながら彼は近道の方へと歩を進めた。 がしかし、林檎の期待は裏切られ不良達がいた。 見つからないように身を低くして墓に隠れながら進むと、不良達が何かを囲んでいるのに気付いた。 (あいつら輪になってなにしてんだ?話してるだけじゃなさそうだな。………ん?) よく見ると不良達の足下に黒くうずくまった何かがいた。
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