魔女の出現

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      ▼ 「ここはどこ?」 「さあな」  今まで街にいたはずなのに、目の前で樹海が広がっていた。 「今までこんな所来たことないよな」 「どこなんだろう……」 「ワールドマップには名前書いてないのです」 「「ウェナム!?」」 「……………?」  ウェナムの瞳は元の色に戻り、何もかもがいつも通りだった。  いきなり元に戻ったから二人は驚いた──のだが、ウェナムは心底分からないという顔で首を傾げ、持っていたサーチグラスをかけた。 「何なのです」 「いや……」 「何でもないよっ!」 「それで、ここはただの森として扱われてるのです」 「ふーん……」  その時、誰かがシャロの肩を叩いた。 「何?」 とんとん 「何なの?」 とんとん 「……………」 とんとん  だんだんシャロはイライラしてきた。 「クロちゃん!何の用?」 「は?何だよ」 「肩を叩いたでしょ?」 「何言ってんだよ。アタシはシャロの前にいるから無理だろ?」 「あ、そっか」
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