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「じゃ、ウェナム?」
ウェナムは首を横に振った。
「じゃ、誰が……?」
シャロが肩を見るとそこには手──ではなく、キセルがあった。
後ろを振り向くと、キセルを持った金髪の黒いドレスを身に纏った女性がいた。
前髪は右側だけ黒いピンで止め、長い後ろ髪を上に持ち上げてから首辺りで折り返し、再び上に上げて黒いバレッタで止めていた。
「………………誰?」
シャロのその言葉に女性はムッとした。
「他人に名前を尋ねるならば、まずは自分の名前を明かすのが礼儀であろう」
女性はキセルの先で すこーん とシャロの頭を叩いた。
「あ痛っ!もー」
シャロは頭をさすりながら言うとおりにした。
「私はシャロ」
「知っておる。シャーロット、であろう?」
「な!?きー!バカにしてー!!」
シャロは腕をジタバタさせたが、急に止まった。
「何で知ってるの?」
「聞くのが遅いわ!」
再びキセルの先でシャロの頭を叩いた。
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