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《詳しくは分からん》
「何で?自分の事なのに」
ドロワは手の上でキセルをクルクルと回転させた。すると──回転している間にキセルは金の粉になって地に溶け込み、消えた。
《ではお前に質問しよう。お前は自分が何でできてるか知っているか?》
「えっと……カルシウムとかリンとか炭素とか亜鉛とかそんな感じの元素」
《ふむ。でも、どんなふうに体内に血液が循環していてどんなふうに脳が思考しているかは分からないだろう?》
「知らない。ていうかそんなの分からないよ!」
《そう、分からない。
それと同じだ。妾達『魔女』にも専門的な事とそうではない事があるのだ》
「へー。それで?」
《分からない事はある。別に妾達はそれを探求しようとは思わない。
……ま、例外がいるにはいるが。
そんな時……妾達はやりたいことをやろう、と思ったのだ》
「うわっ!自由気ままだー」
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