迷子のシャーロット

6/8
前へ
/215ページ
次へ
 シャロは再び倒れた。 「コイツ気絶癖がついてんのか?」  スッキリしたのか、先程までの黒いオーラはきれいさっぱり消え去っている。 「……(やっぱりリトマス試験紙みたいなのです)」 「何か言ったか?」 「何にも言ってないのです」  クリセロウは表情を読もうとしてウェナムの顔を覗き込む……が、直ぐに呆れ顔になってユーザーボウを背負った。 「お前はいつも眠そうな顔してるから思ってることがわかんねー」 「クリセロウは真逆なのです」 「ん?そりゃどういう意味だ?」 「気にしないでほしいのです」 「ふーん……。ま、いっか。」  ウェナムは「クリセロウは扱いやすくていいのです」とひどい事を思ったが、あえて口には出さなかった。 「取りあえずバカシャロのせいで爆薬一個使っちまった」 「アイテムを矢に取り付けられるのがユーザーボウの良いところなのです」 「そんで、そろそろ補充したいんだが……。 今日みたいにこのバカが勝手に突っ走るかも知れないからな」 「シャロは自分が迷子になった事すら気付けなかったのです」 「ほんっとにバカだよなー」 「本当にバカなのです」
/215ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加