~第一章~

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 特別。あるいは、非日常の岐路。  僕こと朽木望(くちき のぞむ)が求めているものは、今の境遇とは真逆の位置だ。  退屈な授業を受け、休み時間には友人に何くれと話しかけ、放課後には特にすることもなく帰路の途につく。  ルーティン・ワーク、ないしテンプレートと化した毎日に身を費やすのは正直うんざりだった。  苦悶。あるいは、懊悩(おうのう)する毎日。  そのスパイラルからの脱却を僕は強く望んだ。  話題性とかそういうことよりも、実は単純に『学生A』的な立ち位置が嫌だったのかもしれない。  だから僕は、一度だけでいいから常識の垣根をへし折るような――『革命的何か』が起きてほしいと、日々思ってやまなかった。
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