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「そういや、何かお前の声どこかで聞いたことがあるような」
「急に何言ってるの?初めてじゃ―――」
「そうだ!田村ゆか―――」
「それ以上言うなああああああ!!!」
完全にノキアに成ってしまうではないか!!それを言ってはならぬ!禁句なのだよ!
「なんでだよ、別にいいけどよ」
「はぁ…はぁ…わ、分かったならそれでよし」
「ま、まあ、これからは心掛けて取り組むように。さて、仕草は…」
そこで少し考えてから、哲也は、
「そうだな、胡坐をかかないこと」
「え~、そっちの方が楽じゃんか…ら、楽なんだもん」
親友でも睨まれると怖いです。哲也さん…。
「女の子の座りかたってあるじゃん、あの足を外に出した正座みたいな」
「ああ~、男は関節が硬くて出来ないっていうあれね。やってみる」
正直恥ずかしいんだよね。顔赤くなってるのばれてるかな…、ばれてるよね。だって、哲也の顔が気持ち悪いほど綻んでるから。
「んしょ…こんな感じ……かな?」
「ばっちりだぜ!後は参考書あるからそれ使えばいいよ」
持ってるんならなぜこれをやらせた!っつか、何でそんなもの持ってるんだよ!!
「う…うん」
ずっと恥ずかしいから熱が冷めないよ…。ああ、目の前が霞んできた……。
「あぅ…」
ドサッ
「お、おい。大丈夫かよ?って、熱あるし…ちょっと待ってな」
もう駄目…すごく眠い。
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