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「……はあ!どうなってんの!!!?」
「俺が聞きたいわ!!」
俺の叫びに負けないくらいの大声で哲也も叫ぶ。
落ち着け俺ら。まあ確かに叫びたくなるが、これはおかしい。何だ?俺が女にでもなったのか?しかもこんなに可愛らしい女の子に。否。断じて否。可笑しいにも程がある。
っつか、俺の声が高いのに何で気づかなかったんだ!
「と、とにかく落ち着こうな、哲也」
「お…おう」
辺りから注目を浴びてる上に、大声を出したから野次馬達が群がってきやがった。
一刻も早くこの状況をどうにかしないと……。
「ちょっと哲也、手伝ってくれ。俺はお前の妹という設定で此処から抜け出す」
俺は小さな声で哲也に話しかけた。
哲也はあっさり頷いた。やっぱり友は作るべきだな。しかもこういう状況を飲み込みやすい友を。
「お、お兄ちゃん。これ忘れ物」
俺は自分の弁当を哲也に渡した。
「お、おう。サンキュな」
「じゃあ、おれ…わ、私はもう行くね」
駄目だ、テンパって上手く言えないし、歩けない…!でも、ここは何とか逃げないと!
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