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慎一郎先生のHRが終わり、休憩時間に入る。
「ねえ、本当に純君なの!?」
「っせーな、そう言ってるじゃんかよ」
キャーとか言ってる女子。正直、劈くからやめてほしい……。
「んでさ、これからどうすんの?」
「さあ?制服とか無いし、これ着るって言っても大きいしさ」
「だよなー」
哲也は俺の前の席で、よくこうやって話をする。
「にしてもさ、その髪すげえな。どうなってんだ?」
気づいていたさ。何よ、七色に輝くんだぜ?ありえないだろ常識的に考えて。
あれか、どこぞの幻想の少女か。よし、今度からトリプルテールに…って、何考えてんだ俺。
「ま、それもいいんじゃねえか?純ちゃんよ」
「なっ……!てめ、哲也!」
ニコニコと笑うな、気持ち悪い。
そこに慎一郎先生が教室に来た。
「ちょっと純、いいかな?」
「え?あ、はい」
俺は慎一郎先生と一緒に廊下に出た。
「まあ、今日のところは帰れ。その格好でいたらお前も説明するの面倒だろ」
「まあ…そうですけど」
「大丈夫だ。欠席にカウントされないようにするから」
「あ、ありがとうございます…」
俺はペコリとお辞儀として、一旦教室に戻った。
「フラグ立ったのか?」
「ちげーよ!ただ、今日は帰れ、だと」
「いいなぁ~。俺も帰りてぇ~」
愚痴を言ってる哲也を無視して、カバンを持つ。
「それじゃな」
そういい、俺は駆け足で帰った。
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