160人が本棚に入れています
本棚に追加
「服買いに行くのはいいが、何処行こうか」
歩きながら考え数分。
「ま、ユニクロで良いか。あそこ安いし」
別になんでもいいし。
ユニクロの中に入って、レディースのところを探していると、哲也がいた。
やべ、ばれない様に逃げるか…。
「お、純じゃん。やっぱり此処に来たか」
あ~あ、バレちゃったよ俺。どうしようかな。
「そんな、会いたくもなかったような顔しないでくれよ。親友だろ?あと、先生に付き添えって言われたからな」
「あ、そうですか」
「つれないね、親友じゃんかよ」
「痛いってば!」
哲也は俺の背中をバシバシ叩いてくる。今の俺女なのに容赦しないなこいつ…後で殴ってやる。
「さて、服探してるんだろ?これとかどうかな?」
「お前のファッションセンスはどうかしてる…」
俺は背中を擦りながら、哲也の持ってる服を見る。ありゃまるでゴスロリだな。一度は着てみたいけど。
「えぇ~そうか?」
「それを俺が着て出歩けと?どこのコスプレイヤーだよ」
「じゃあ、出歩かなくて良いからこれ着てよ!」
さすがにそれは俺も引くぞ?と言いつつもすでに引いてる俺。
「がっくし…似合うと思うのになぁ…」
そんなことを言ってる哲也をそっちのけで、普通の服とかを4枚くらい選ぶ。
「よし、こんなもんかな…。あとは―――」
…あれ、待てよ?下着ってやっぱ買ったほうがいいんか…?
「なあ…」
「んあ?どうした?」
さすがにあの服はもう持ってないか。
「し…し、下着ってやっぱ……いるよな?」
「ったりめーだろうが!」
当たり前だが、哲也に訊いた俺が馬鹿だった。
「じゃあ…一緒に来てくれるか?」
「いや、さすがにあそこに男性は立ち入り禁止なんでな」
そこは女装してまで来てほしかったが、さすがにしてくれるとは言い難いし、何されるか分からないからあえて言わないで置こう。
「そうか…じゃあ、行ってくる」
「おう、俺は店の前で待機してるから。男子の好むもの買って来いよ…?期待してるぜ!」
「さて、行くか」
腕力は劣ってないようだ。けど、哲也を10メートルもぶっ飛ばせるとは思わなかったぜ。
最初のコメントを投稿しよう!