あの場所に居たミンナがきっと思った事。 なんでなん?…

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なにげない日々の中、呼び出され聞かされた。ガン告知。 私は、神様なんていない。 そう思った。 何故なら、母は、私が知ってる限り 苦労を背負っていた人だったから、最後だけは楽な方法で眠りに着くものだと思っていたからです。 苦労… 苦労… 少なくとも私も母に苦労させた1員でした。 私が物心ついた時には、父も家に寄り付いてはいなかった… あれは小学生ぐらいだったかな? 母は、いつも 私が学校から帰ると、先に帰った3つ上の姉の宿題を見ていた。 「なんで、こんなんも分からへんの! 宿題しな遊びに行けへんで!」 そう怒られては、遊びに誘いに来た友達に毎回断りを入れていた。 あまりに毎日の出来事で、しまいには 誰も 姉を誘いに来る事もなくなって行った。 姉の性格はマイペースで、のんびり屋さん。 それが、母の心をイラつかせていた。 だから私は、自然と『 要領 』という知恵がついた。 夕飯は、決まって いつも3人。 そして決まって父は居ない。 父は住み込みで働いていて、月に2・3回、溜まった洗濯物と共に現れては威張る。 大きな顔して威張る。 テレビも占領する。 デカい声で話すとキレる。 だから、キライだった。 小さい時の思い出なんてものは、ない。 アルバムを見ると一目瞭然。 保育所の体育大会の写真には、姉と父が走ってる写真。 七五三で綺麗な晴れ着姿の姉。 あっ、私も七五三の写真ある! って見てみれば、見覚えがある晴れ着の私。 父の姿すらない。 だから、キライだった。たまに現れては威張る父が本当にキライだった。
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