世界は割れ響く耳鳴りのようだ

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『もしもし』  数回の呼び出し音が鳴り、若い男性の声が聞こえた。 「朝倉、どういうことだ」 『何が?』 「今回の仕事」 『ということは、ちゃんと合流できたのか。それは良かった』 「良くない。合同と聞いてない」 『合同と言えば君は嫌がるだろう?』  図星で言葉が出なかった。  電話で話している朝倉とは、海斗が仕事をする上でサポート役を担っている担当だ。仕事も彼が選別して海斗に実行してもらっている。  今日は特に詳しい説明はなかった。ただの確認作業かと思って来てみれば、ややこしい話になっていくのがわかる。 『君はなにかと人を毛嫌いするからね。雪江さんの命令でもあるから、今回は拒否権はないよ。黙ってその子と仕事をするんだ』 「……」 『単なる確認作業だ、簡単だよ。それじゃ海斗』  愚痴を言う暇さえ与えず電話を切った朝倉に憤りを覚え、携帯電話をポケットに片付けてさゆみへと振り向いた。
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