―第二話―

5/7
前へ
/94ページ
次へ
【土佐藩・武市半平太】 半平太「………」 僕は、あやめさんが出ていった襖を見つめた。 慎太郎「…武市さん……」 半平太「すまない。」 僕はみんなに精一杯に頭を下げた。 あの夜の事はみんなの前では口にしない約束だったはず。特に、あやめさんの前では…… 半平太「……本当に、すまない。」 慎&以「………」 龍馬「…いい、武市。」 半平太「……」 龍馬「顔をあげてくれんか。わしらは良いんじゃ。あやめじゃって、気にしちょらん。」 半平太「だが…!」 龍馬の言葉を遮ろうと顔をあげる。 龍馬「気にしちょらんもんは気にしちょらん。ワシが気にしちょらんのじゃき、あやめも気にしちょらん。…わしらはそういうもんぜよ。」 半平太「………っ。」 龍馬はそう言って黙々と飯をほうばっている。 ………… 龍馬「…謝ればすむ話じゃき。ワシも一緒に行っちゃるよ?」 半平太「///!俺は子供じゃない!!」 龍馬「ほれ、笑った。」 半平太「///っ!」 龍馬……… 半平太「…ふっ。全く、お前にはいつも笑わされてばかりだな。」 龍馬「しししっ。元気ついたか?」 半平太「…あぁ。……あとでちゃんと謝るよ。」 龍馬「ほいじゃ、ワシも行くか。飯もちょうど終ったしの。」 半平太「結構。」 龍馬「ほいじゃ、お先に失礼するぜよ。」 半平太「り、龍馬!お前なぁ…!」 スッと襖は閉まってしまった。 半平太「……」 慎太郎「龍馬さんも人が悪いっすねぇ。」 以蔵「全くだ。先生に向かってなんと言う態度!」 慎太郎「…以蔵君は相変わらず物分かりが悪いっす。」 以蔵「何がだ。」 慎太郎「何でもないっすよ。」 半平太「……」
/94ページ

最初のコメントを投稿しよう!

143人が本棚に入れています
本棚に追加