―第二話―

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【主劇・あやめ】 あやめ「……いらい。(痛い。)」 私は鏡の前で大口を開けているところ。 あやめ「以蔵のみほしるのむんらならっら。(以蔵の味噌汁飲むんじゃなかった)」 一気に飲みすぎて、口を火傷しちゃった。 龍馬「あやめ、いるか?」 !! 龍馬さんだ。 半平太「…あやめさん。」 た、武市さんまで……。 と、とりあえず中に入れないと……! 私はゆっくりと襖を開けた。 そこには満面の笑顔を浮かべた龍馬さんと、なんだか気まずそうな顔をした武市さんが立っていた。 龍馬「中にいれてくれんか?」 コクッと頷いてふたりを中に招き入れた。 私と龍馬さん、それに、武市さんが向かい合うように座った。 ど、どうかしたのかな。 半平太「あやめさん。」 床がゴンっと音をたてるくらいの勢いで武市さんが土下座をした。 半平太「…さっきはすまなかった。」 あやめ「……?」 え?何で謝ってるの? 半平太「君を傷つけてしまった。あの夜の……ことで。」 あやめ「……」 あの夜の事……。龍馬さん達が斬られた、この時代の恐怖。何より、龍馬さんたちを失うんじゃないかという恐怖。 だけど、こうしてみんな無事で、今があるのはあの事件のお陰って思ってる。 だから正直にいうと、そんなに気にしてない。 武市さんが本当に困った顔で言うから、ビックリした。 龍馬「あやめ」 あやめ「はいっ?!」 声が裏返ちゃった…。 龍馬「武市を許してやってくれんか。この通り、反省しちょるきに。の?」 あやめ「……」 許してあげたいのは山々なんですけど…… 口の中がヒリヒリして、上手く喋れそうにないよ… 龍馬「あやめ?どげかしたか?」 半平太「許してくれないか…」 あやめ「!はへひさん……!」 ズキッ! ―――――――!!! あやめ「いらーい!!」 半平太「は?」 龍馬「あやめ、もしかしておまん、喋れんのか?」 あやめ「はい……みほひるれやけろを。(味噌汁で火傷を)」 龍馬さんも武市さんも目をパチクリさせている。 龍馬「…もしかして、さっきの味噌汁で火傷したんか?」 うんうん、と頭をブンブン降る。 龍馬「くっくっくっ、あっはははははは!」 龍馬さん、大笑いしてる…。 あやめ「笑わないれくらさい!(笑わないで下さい!)」 龍馬「あ~。喋らんでいい。もっと悪くなるぞ。」 でも、武市さんの誤解を解かないと…… ……そうだ!
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