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【主劇・あやめ】
あやめ「……いらい。(痛い。)」
私は鏡の前で大口を開けているところ。
あやめ「以蔵のみほしるのむんらならっら。(以蔵の味噌汁飲むんじゃなかった)」
一気に飲みすぎて、口を火傷しちゃった。
龍馬「あやめ、いるか?」
!!
龍馬さんだ。
半平太「…あやめさん。」
た、武市さんまで……。
と、とりあえず中に入れないと……!
私はゆっくりと襖を開けた。
そこには満面の笑顔を浮かべた龍馬さんと、なんだか気まずそうな顔をした武市さんが立っていた。
龍馬「中にいれてくれんか?」
コクッと頷いてふたりを中に招き入れた。
私と龍馬さん、それに、武市さんが向かい合うように座った。
ど、どうかしたのかな。
半平太「あやめさん。」
床がゴンっと音をたてるくらいの勢いで武市さんが土下座をした。
半平太「…さっきはすまなかった。」
あやめ「……?」
え?何で謝ってるの?
半平太「君を傷つけてしまった。あの夜の……ことで。」
あやめ「……」
あの夜の事……。龍馬さん達が斬られた、この時代の恐怖。何より、龍馬さんたちを失うんじゃないかという恐怖。
だけど、こうしてみんな無事で、今があるのはあの事件のお陰って思ってる。
だから正直にいうと、そんなに気にしてない。
武市さんが本当に困った顔で言うから、ビックリした。
龍馬「あやめ」
あやめ「はいっ?!」
声が裏返ちゃった…。
龍馬「武市を許してやってくれんか。この通り、反省しちょるきに。の?」
あやめ「……」
許してあげたいのは山々なんですけど……
口の中がヒリヒリして、上手く喋れそうにないよ…
龍馬「あやめ?どげかしたか?」
半平太「許してくれないか…」
あやめ「!はへひさん……!」
ズキッ!
―――――――!!!
あやめ「いらーい!!」
半平太「は?」
龍馬「あやめ、もしかしておまん、喋れんのか?」
あやめ「はい……みほひるれやけろを。(味噌汁で火傷を)」
龍馬さんも武市さんも目をパチクリさせている。
龍馬「…もしかして、さっきの味噌汁で火傷したんか?」
うんうん、と頭をブンブン降る。
龍馬「くっくっくっ、あっはははははは!」
龍馬さん、大笑いしてる…。
あやめ「笑わないれくらさい!(笑わないで下さい!)」
龍馬「あ~。喋らんでいい。もっと悪くなるぞ。」
でも、武市さんの誤解を解かないと……
……そうだ!
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