―第三話―

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翌日。 土佐藩邸――― 相変わらず口はヒリヒリしたままで、朝御飯が食べられなかった。 あやめ「はぁ…」 お腹、空いたなぁ。 玄関の掃除をしていると、後ろから声を掛けられた。 慎太郎「姉さん、これ食べます?」 そう言って慎ちゃんは何かを私にくれた。 慎太郎「饅頭っす。何も食べてなかったすよね、朝。」 慎ちゃん…… あやめは懐にいれていたノートに、 あやめ『ありがとう。』 と書いた。 慎太郎「当たり前じゃないスッか。姉さんには体壊して欲しくないし、我慢しないで下さいね!」 コクン、と頷いたら、慎ちゃんは用事があるからとそのまま出掛けた。 慎ちゃん、やっぱり優しいなぁ。 慎ちゃんにもらった饅頭を一口食べて、掃除に戻った。 【???・????】 あれが、坂本の女……。
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