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以蔵「龍馬、あやめを知らないか?」
廊下の向こうから以蔵が歩いてきた。
龍馬「なんじゃ、おんしもあやめを探しとるき?」
以蔵「いないのか。」
龍馬「少なくとも藩邸にはおらんな。」
さっきからずっと探した。間違いない。
以蔵「ったく。あいつは約束まで忘れちまうのか。」
龍馬「?なんか、約束しとったんか。」
以蔵「いや、剣の稽古を久々にしたいと言うから、付き合うと言ったんだが、来ないんだ。」
龍馬「あやめが約束をすっぽかしたぁ?」
信じれん。
あやめは人一倍義理堅い娘じゃ。人との約束を忘れるなんて……
それに、ぼーるぺんも落としちょった……。
以蔵「どうした、なにか気になるのか。」
龍馬「あやめがしない行動ばっかりが続いちょる。……おかしいのー。」
以蔵「………」
頭を悩ませていると、慎太郎が帰ってきた。
慎太郎「珍しいっすね。悩みごとっすか?」
以蔵「いや、こいつが気にしすぎなんだ。気にするな。」
慎太郎「ふーん…。あ!そういえば、姉さん知りません?町にもいなかったようですけど……」
龍馬「町におらんじゃと?ここにもおらんのに…」
以蔵「どこにいるんだ、あのバカは…」
半平太「三人でどんな顔をしているんだ。情けない。」
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