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【主劇・あやめ】
あやめ「…………」
結局ここに来ちゃうんだよね。
どうしても最後にここに来たかった。龍馬さんとの思いでの場所。
最後にここだけ見て、
……京都を出る。
龍馬さんから離れる。
私にはその資格はないから。
龍馬「…あやめ」
!
あやめ「………龍馬さん。」
龍馬「おまん…なぜ」
あやめ「……私、出ていきます。」
龍馬「………」
私には、龍馬さんと一緒にいることができない。
あやめ「だから…さよなら………。」
龍馬「何でじゃ!」
ガッ!
あやめ「!」
逃げようとしたけど、龍馬さんに手首を掴まれてしまった。
龍馬「何で出ていく!ワシは気にしちょらんきに!あやめが無事なら―――」
あやめ「―違うんですっ!」
龍馬さんの手が緩んだ気がした。
あやめ「違うんですっ。私が…私がダメなんです!」
龍馬「……あやめ…」
あやめ「私が辛いの!どんなに時が経っても、きっと忘れられない……!あなたのその笑顔に、私はふさわしくないから……だから―――…」
……ギュッ
あやめ「――…」
……まただ。
私が辛いとき。
私が悲しいとき。
いつも、いつも。
龍馬さんは優しく抱き締めてくれるんだ。
心を洗ってくれる。
龍馬「……泣かんでいい。」
あやめ「ぇ……。」
……やだ。
私、泣いてる。
龍馬「……何でわかってくれんのじゃ。ワシがあやめを守る。それでえぇがじゃ。」
あやめ「でもっ……」
龍馬「ワシが洗っちゃる。」
!
龍馬「おまんの悲しみ、おまんの辛さ、おまんの苦しみ……おまんが嫌だと、辛いと思うものすべて洗っちゃる。…甘えてくれんか、少しは。」
あやめ「……」
………龍馬、さんっ…!
あやめ「……あまえて、いいの…?」
龍馬「えぇに決まっちょる。…の?」
あやめ「……あぁぁぁぁぁぁ!」
…泣いていいんだ。
甘えていいんだ。
それからずっと、大声で泣いた。
涙と一緒にすべてを。
悲しみ。
辛み。
苦しみ。
自責の念に刈られ、縛られていた心は
大好きな龍馬さんに洗われた。
……ありがとう。
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