離別

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やがて眩しかった日差しも少し和らぎ、うっとおしかったセミの鳴き声も止んだ頃、持っていた携帯電話が鳴った。 二つ折りの携帯電話をゆっくりと開き画面を確認する。 「ユリ」 一番の理解者。 暫く鳴り止まない携帯電話を見つめたままだったが、やがて通話ボタンが押された。 「やっほー!サクラ?もしかしてまだ寝てたぁ?」 ユリの呑気な声を聞いた途端、私の瞳から一粒の大きな大きな涙がこぼれ落ちた。
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