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僕らの高校の入学式の日は、雨がパラついていて、僕を含め新入生は皆テンションダダ落ちでした。
本来なら、校舎前にバーンとクラスが掲示されて、「キャーやったー!高校でも同じクラスだね!」みたいな事を言う女子が絶対いますが、全体的なテンションの問題で、そういう感じはありませんでした。
下駄箱の側面にちっさく表示されていたクラス分けの表を見ると、誰一人知ってる人はいませんでした。まぁ、僕の中学からこの学校を受験したのが僕と健二しかいなかったから仕方ないっちゃあ仕方ないんですが。
なんとも微妙な空気のする場を抜けて、僕の教室、1-3へ向かおうとしたとき、後ろで大きな声がしました。
「うっひょー!俺のクラスすげぇ!5組女の子すげぇ多いじゃんコレ!ひゃっほう!和彦ー!アレ、和彦ー!?どこだ和彦ー!!」
健二が1人、大声で騒ぎまくっていました。うん、他人のフリしとこう。
「……あっ、私5組だ。和夏っち、何組だった?」
「私は……3組だ。ん?桜井和彦?」
「ん?知り合い?」
「いや、ちょっとな」
「なんでガッツポーズしてんのこの子……」
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