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教室のなかは至って普通で、前方に大きな黒板、教卓、生徒の机と椅子が40セットほどあって、後方には掲示板みたいなものと、連絡用の小さな黒板。
出席番号7番だった僕の席は、廊下側から二番目の列で、前から三番目。まぁ近い内に席替えがあるとして、なかなか良い位置じゃないですかね。
鞄を机の上に置き(中身はほとんど空だけど)、座って一息ついたところで、
「桜井!」
と、後ろから女が呼んでいました。一瞬僕の事を言われているのかと思い、びっくりしましたが、それは無いでしょう。もう1人桜井がいても、何もおかしくない。
しかし、誰も動きません。
「オイオイ、行ってやれよ桜井…」みたいな空気が流れ出したところで、
「桜井和彦、君だ!」
と、声の主に肩を掴まれました。
えぇ……僕なの……?と思いながら、振り替えると、
「名前だけしかわからなかったけど、偶然もあるんだな、どうぞ末永く幸せになろう」
「えーと……。あ、あの時の!?」
以前チャラ男に囲まれていた子が、深くお辞儀をしていました
ん……?末永くって
どゆことだ?
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