痴漢はアカンよ

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海夜はメイドに見られたことからか顔を真っ赤にして口をパクパクさせている。 俺は手に広がる感触に何とも言えなかった。悲しいかな男の本能から手がその柔らかいものをふにゅと握った。それは性的な行為を醸し出すものではなく、ただ本当に感触を確かめるようなものだった。 胸を触られている本人は予想外だったのか顔を真っ赤にさせ、俺の手をとにかく剥がそうと必死になっていた。 「な、なななななな、ちょなななにして」 ここで口を閉ざして心の中だけに仕舞っておけばよかったのに。柔らかさは申し分ない。だが 「…お前、胸無いな」 頬に強いビンタがお見舞いされ、部屋を無理矢理追い出された。 壊れんばかりに、思い切り閉ざされた扉の前には頬が赤く腫れた俺と、俺に向かって投げられた椅子が寂しく倒れていた。 やばい。 本気で怒らせた。
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