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「待て、待ってくれ。突拍子すぎてついていけない」
「そう?シンプルな話だと思うのだけれど」
「シンプル云々じゃない。そんな作り話、俺が信じるとでも」
「では、飲んでごらんなさい」
は?と言う前に、女は持っていた箱をメイドに渡し、メイドが懐から取り出したナイフを受け取った。
そして
「お、おい!何を……っ!!」
そのまま女は自分の腕を切り付けた。傷口から紅い血がぼとぼとと適り落ち、つんとした鉄の臭いが部屋に充満する。
「あんた…馬鹿じゃないのか…!」
「私は大丈夫。さあ舐めてごらんなさい」
「はあ?!何を…」
「私の言っていることが信じられないのでしょう?だったらさあ、」
御自分で、確かめてみなさいな
長い沈黙の後、何で俺がこんなことをと思ったが、女の腕から流れる血を見ていると何故かどうでも良くなってくる。
そして俺は引き寄せられるように、
その血を
舐めた
「……は…っあ……!」
熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い
喉が焼ける様に熱い。身体が行為の最中の様に熱い。ぴりぴりとした快楽が頭になだれ込み、俺は立っていられなくなり、思わずソファに倒れ込む。苦しいやら心地好いやらよくわからない。
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