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かさかさと枯れた葉が冷たい夜風に吹かれて音をたてている。街灯の下にはうつむく女とそれを静かに見つめる男がいる。女は深呼吸を一つすると長い髪を耳にかけ、ゆっくりと顔をあげた。
“もう、終わりね。”
ひゅうと吹く風に女は縮こまり身体をさすった。静かだった男がやっと口を開いた。
“お前が俺の気持ちを考えた事は一度もなかった。”
“そんな事はないわ。”
“ならどうして…”
“疲れてしまったのよ。貴方の気持ちに応える事に。”
かさかさという音が再び聞こえてくる。男は何か言いた気な面持ちだが口は閉じたまま開かない。
“今までありがとう。”
枯葉の音を消したのは女だった。女はにっこり笑うとくるりと向きを変え、その言葉を置いて去った。髪が軽やかに揺れる女の後ろ姿を見て、男は街灯の下から姿を消した。
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