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尊敬する。
単純に白衣の天使に憧れたわけではない。
この世知辛い世の中、食いっぱぐれのない職業は何か？
資格を持つ職業は就職に強い。
打算的と言われればそれまでだが、好きなことをそのまま職業にしてしまえる人はほんの一握りの人間だけ。
「もしセクハラされたら、ちゃんと教えてね？」
「は…はい」
「その患者様はブラックリスト入りして通告がなされるから。万一それでもしつこいようなら現場を押さえて強制退院よ。それから今後一切ここで受けられる最高の医療提供のお断りが通達されるわ」
「でもお相手は……」
「御偉方には間違いないけど、大抵は自分の命が惜しいから一度院長先生に笑顔で警告されたら大人しくなるわ。でもたまにいるのよねー……学習能力のない親のすねかじりの坊やとか諦めが悪いったらないの」
「はぁ」
「貴女、かわいいから気を付けなさい？自分の身は自分で護らなきゃダメよ？」
冗談とも本気ともつかぬ口調で七瀬は言った。
「さて、挨拶も終わったし、ケアにまわりましょうか？」
初日からヘビーな内容に頭がパンクしそうになりながら彰は七瀬に付いて回った。
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