53人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
神威一族。
世界でもその名を知らない者はいないはず。
先祖を辿れば神話の人物にも行き当たると言われるほどに日本の繁栄を陰日向となり支えてきた一族。
先の戦争で日本が負けたのはひとえにこの一族が戦争を厭い、協力しなかったから、とも真しやかに囁かれている。
貿易、リゾート、研究開発……とにかく手広く事業を展開しており、傘下の会社を挙げていったらきりがないほど。
あの会社やあの会社も……
潤沢な資産は湧き水の如く今この瞬間にも増していっているのだろう。
しかし、それだけ繁栄し続ける一族だが、黒い噂も常に付きまとう。
誰々が神威の怒りを買って消されたとか消されなかったとか……
「織原さん、出来た?」
「はい!ベッドどうしましょう?」
「今救急外来で検査中らしいけど後5分もすれば終わると思うの。だからベッドごと降ろして、救急外来で移っていただきましょうか」
「はい」
「七瀬さん、鳴神様の検査ももうすぐ終わるわ」
「はい。とりあえず神威様をお迎えしてから鳴神様の方に向かいますね。少し遅れますと伝えて下さい」
「わかったわ」
最初のコメントを投稿しよう!