星降る夜に

出勤

本日初出勤。

ロッカールームでいそいそと着替える。

真新しい白衣に袖を通すと一気に看護師になったことを実感出来た気がした。

憧れたナースキャップは不衛生だという感染対策の観点から時代の流れに負けて廃止された。

ワンピースタイプの白衣も機能的ではないため現場では好まれなくなってきているらしい。

そしてその色でも物議を醸していると言うから驚きだ。

白衣を見れば緊張して血圧が振りきってしまうおじいちゃんおばあちゃんがいるため、如何にも医療従事者ですっていう白衣は犬猿され始めていて、何やらカラーバリエーションに富んだユニフォームが推奨されてきているようだ。

いずれも海外の研究を受けての完全な受け売りらしいが……兎に角ナイチンゲールを彷彿とさせるような如何にも看護婦さんですっていう格好は一部を除いて今日日求められていないようだ。

白衣の天使と呼ばれた時代は終わりを告げようとしているのかも知れなかった。どうしてもと言うならコスプレするしかないくらいに。

肩甲骨辺りまである髪は手早く低い位置で一つに纏め、ピンを駆使しておだんごにする。

見た目は100点満点のはずだ。