プロローグ

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 身体は冷たく、  部屋は凍てつき、  心臓は固まり、 しかし心は燃え続けた。  自分の人生を奪った男を 「憎みますわ」  自分の生命を終わらせた男を 「憎みますわ」  そして、自分がいなくなる世界すらも、彼女は 「憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ憎みますわ―――」  ―――彼女は手を伸ばす。 目の前の携帯電話に向けて、懸命に。  そして呪いの言葉を吐きながら、 彼女の手は携帯電話にあと少しで届くところで、パシャリと音を立てて崩れ落ちた。  ―――だが、途端にそれは光り始めた。
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