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「・・・ここはどこでしょうか?」
優莉は真っ白な何も無い空間を見回した。
「ここは空間と空間の狭間だ」
ドカッ
「ゲフッ」
優莉の疑問に答えた人物は、背後に突然人が現れたことに驚いた優莉の綺麗な後ろ回し蹴りによって派手に飛ばされてしまった。
「い、いきなり蹴り飛ばすんじゃねぇ!」
優莉に蹴り飛ばされた人物は少しふらつきながら立ち上がったが、その周りには怒気が漂っていた。
「えっと、いきなり蹴ってしまってすみませんでした。でも、いきなり背後に現れるあなたも悪いと思いますよ?」
蹴られた人物は輝く金の髪に同じ色の瞳の美形であったために怒気を纏ったその姿はかなり迫力のあるものだったが淡々と言葉を返す優莉は伊達に裏最強と言われていたわけではないようだ。
「いやいや、背後に人が立ったから蹴飛ばすってお前はどこの殺し屋だよ」
「殺し屋じゃなくて何でも屋です。まぁ、完遂した依頼の三分の一は殺しでしたけど」
「は?・・・ああ、そういえば裏の人間だったな」
「はい。でも、あなたは私のことを知っているんですか?」
「ああ、知っているぞ。裏最強と言われていた何でも屋『狂華』である月美夜 優莉」
優莉は金髪美形の言葉を聞いて探るように目を細めた。
「そう警戒するな。俺がお前のことを知っているのは俺が神だからだ」
「・・・」
「おいコラ、そんな哀れんだ目で俺を見るな!俺は正真正銘本物の神なんだ!」
「・・・・・・まぁ、気配が普通とは違った独特のものですし、何より気付いたらこんなよく分からない空間にいますし信じますよ」
「気配で判断するって・・・。いや、まぁいい。それより話しを進めるか。まずはここがどこかだがさっきも言ったように空間と空間の狭間だ。具体的に説明するとお前がいた地球と死後の世界の間だ」
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