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『いや、どの魔法が使えるのか分からないと街や国にたどり着く前に死んでしまいかねないからな。別にこれぐらいは構わないさ。それより何でカイロスさんなんだ?』
「何でって神様って呼んだら目立ちますし、名前はカイロスなんですよね?」
『いや、そうだが俺が聞いているのは何で「さん」なのかってことだ』
「え?だって、名前に「様」をつけて呼んでいたら相手が偉い人だっていうのが分かりますから目立つじゃないですか」
『そうじゃなくて、別に呼び捨てで構わないって言ってるんだよ』
「親しい人意外は呼び捨てで呼ばないことにしているんです」
『なっ!蹴られたり、酷い扱いを受けたり、何気に結構色々話をしたりしていたのに俺は親しい部類に入っていなかったのか!』
確かに、生き返るまでそんなに時間はかからなかったがなかなかに濃い時間を過ごしている。そして、カイロスは実に可哀想な扱いを受けている。
「冗談ですよ。呼び捨てにしていいなら有難くそうさせてもらいますよ、カイロス」
『冗談って本当に俺の扱い酷くないか?』
「私にも分からないんですけど何故かカイロスは弄りたくなるんですよね」
『何故かって、はぁ、もういいや。一先ず魔力量測定器と属性判別器をそっちに送る』
「・・・おお、来ましたよ」
ユーリの手の上には大きさの違う水晶が二つ乗っていた。
『大きいほうの水晶は手に乗せて魔力を少し流せば魔力量が数値で出てくる。小さい方の水晶は同じように少し魔力を流せば属性の色に光る』
「分かりました。それじゃあ、まずは魔力量の方から調べますか」
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