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『・・・本当にそんな理由だったんなら俺はアリアスの本当の恐ろしさを知らなかったんだな』
「そうかもしれないですね。それで、ユイリカが滅んだのは分かりましたけど結局アリアスはどうして死んだんですか?」
『ユイリカが滅んだ後に、『質の低い核で世界を創ればユイリカと同じ様なことになるかもしれないし、質の高い核で創った世界は普通じゃないだろうし、そんなのつまらないから死んで新しい人生を過ごしてみようと思う』って言って自分で死んだんだよ。まったく、本当にマイペースで変わり者だったよアリアスは』
「いや、だから世界神は不死じゃなかったんですか?」
『確かに不死だ。だが、アリアスは自分の巨大な力を使ってそ不死の神すら殺せる剣『神殺(しんさつ)の剣(つるぎ)イクス』を創ったんだよ』
「うっ!」
ユーリはイクスと聞いた途端に携帯を落とし、頭を押さえながら苦しみだした。
『おいどうした!』
「カイロス、アリアス、ユイリカ、天上最高神、神殺の剣イクス、世界神、カイロス・・・」
苦しみながらさっき知ったばかりの言葉を繰り返し呟きだすユーリ。
『おい、ユーリ!大丈夫か、どうしたんだ!』
『我が魂に封じし神殺の力、その力解き放つと共に我が大いなる力と古(いにしえ)の記憶を眠りから目覚めさせよ SLEEP BREAK《眠りの破壊》』
ユーリの口から発せられた声はユーリであってユーリではないような不思議な声で、紡がれた言葉は不思議な力を感じさせるものであり、言い終わると同時にユーリの体は光で包まれた。
『おい、ユーリどうしたんだ!ユーリ、ユーリ!』
「大丈夫だからそう叫ぶな」
光がおさまり姿が見えるようになったユーリは先ほどの苦しみが嘘のようなほど平然とした声で落としてしまった携帯を拾って答えた。
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