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『イクスでアリアスを殺せないのは理解できた。でも、お前は確かに死んでいたはずだぞ』
「正確には限りなく死んでいるのに近い状態だったんだ」
『意味が分からないんだが?』
「あの時のことを順を追って説明するとだな、イクスを私に突き刺したがあれは突き刺したのではなくて私自身の魂にイクスを封印したんだ。イクスはあらゆるものを断絶するほどの力がある。そんな剣を魂に封印すればさっきも言った理由で死にはしないが体の形状を維持することまでは出来なくて魂だけの状態になる。それは限りなく死んでいるのに近い状態な訳だ。そして、頼んでいた通りにカイロスが私の魂を地球の輪廻の輪に入れてくれた。死んでいなくても魂だけの状態で輪廻の輪に入れられると魂は新たな肉体を持てるんだ。イクスは本来の私の力を封印するので精一杯だから新たな私の肉体は消えないという訳だ」
『なるほど、そうだったのか。あれ?でも、それならどうして今、アリアスは全てを取り戻しているんだ?』
「それは、イクスを封印する時に魂にある条件魔法をかけていたんだ」
条件魔法とは決められた条件を満たした時だけ発動する魔法であり、誰にでも使える。ただし、込められた魔力の量と発動条件の厳しさで発動した時の魔法の威力は変わる。ちなみに、魂に魔法をかけるなんて規格外な事が出来るのもかなりの時が経っても(アリアスが死んでから生まれ変わるまでに約二百五十年ほど経っている)魔法が消えないのもアリアスだけである。
『条件は何だったんだ?』
「アリアス関する記憶である、カイロス、ユイリカ、神殺の剣イクス、天上最高神、世界神、そして私自身の名前であるアリアス、これらを知ることを条件としてイクスの封印を解く魔法を発動出来るようにしたんだ」
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