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ちなみに、イクスを封印するための魔法もその封印を解く魔法もアリアスのオリジナルである。世界神になると言霊(発する言葉に魔力を込めて力を持たせることである。だが、色々と制限がある上に力は魔法より劣る)などを使うことが出来るが新しい魔法を創り出すのは世界神でも上位の者だけである。それなのに、アリアスは圧倒的な魔力と知識によって簡単に新しい魔法を創り出せるのである。
『何でそんな条件なんだ?』
「イクスの封印をするのに力を使ったから条件魔法にはそれほど魔力を込めれなかったんだよ。でも、イクスの封印を解くには威力が高くないといけない。だから、厳しい条件にしたんだ。それに、折角神から別の者に生まれ変わったんだから元には戻りたくなかったしな」
『戻りたくなかったのなら何で条件魔法をかけていたんだ?』
「もし、前世のことを知るようなことがあるのなら普通の状態ではないだろうからな。その時は元に戻ったほうが良いだろう思ったからだよ。でも、まさかカイロスが仕事をサボったせいで元に戻るようなことになるとは流石に予想していなかったな」
『うっ』
気まずそうな声を漏らすカイロス。
「ああ、でも、気にすることは無いぞ。目の前にアリアスの魂を持った優莉がいてもアリアスの生まれ変わりだとまったく気付かなかったとしても」
『ううっ』
カイロスの気まずそうな声など気にもとめずになおも言葉を続けるアリアス。
「生まれ変わっても性格がほとんど変わっていない私と直接話しをしていたのに気付かなかったとしても」
『うぐっ』
「私が無意識のうちにカイロスに対して昔と同じ様な対応をしていたのに気付かなかったとしても」
『うぐぐっ』
「それでも私にとってカイロスは今も昔も変わらず大切な友人なのだから」
『すみませんでした!』
「だから、気にすることはないと言っているだろ」
『まったく、そう言っている様には聞こえなかったんだが・・・』
「何か文句があるのか?」
『いいえ、まったく、これっぽちもありません!』
「ふふふ、相変わらずカイロスの反応は面白いな」
『お前は相変わらずのドSっぷりだな!』
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