神は華に華は神に

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「うーん?そうだな。神だった時の私に姓は無かったから姓としてルナイトを使って名前にアリアスを使おう」 『それじゃ、アリアス・ルナイトってことで良いんだな?』 「ああ。カイロスは今まで通りアリアスと呼んでくれれば構わない」 『分かった。あ、そう言えば、前に聞きぞびれていたんだが、ユイリカは滅んだとはいえかなり成長していたがアリアスの力はどれぐらい上がったんだ?』 世界神達は世界が成長していくとその成長のために生まれた力を自分の物にすることが出来る。だから、神は世界を持ちたがり、カイロスも仕事が増えて大変になるにも関わらず世界を二つ持っているのである。つまり、世界を四つ持てるのに一つしか創らずしかも質を下げようとするアリアスはかなりの変わり者である。 「ほとんど変化してない」 『へ?どうして?』 「ユイリカは自力で成長したわけではなく、私の力だけを使って成長したんだ。それはつまりユイリカは世界の形をした私の力の塊みたいな物だったんだ。だから、私の力はほとんど変化しなかった」 『そうだったのか』 納得した様子のカイロスにアリアスは溜息を吐いた。 『何だよ、溜息なんか吐いて』 「いや、今までまったく疑問に思っていなかったんだなと思って」 『は?何を』 「あのな、世界は神がいなくなったからってあれほど急速に滅ぶことは無いんだよ。もし、あんなに滅びやすかったらお前が仕事をサボる暇なんてあるはず無いだろ?」 『あ、そうか』 「ユイリカは世界とも呼べないほどの出来損ないだったからあんなに急速に滅んだんだ。出来損ないの証にユイリカには世界の意思がいなかったしな」 『世界の意思って何だ?』 「あー、それはまた今度気が向いたら話す」 アリアスは珍しく歯切れの悪い言い方をした。 .
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