闇の華、再び

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「いや、このままだと不死だから死ぬ心配する必要ないし、力が戻って時属性も復活したし、誰よりも圧倒的に私の方が強すぎてつまらないから全てを取り戻す前の状態に戻そうかと思って。それに戻さないと私の見た目は目立つからな」 時属性とはアリアスだけが持っている属性で、他の神は誰一人持っていない正真正銘の特殊属性である。時間が操れる属性のためこの属性を持っているだけで最強と言っても過言ではないかもしれない。ちなみに属性判別を行うと紫色に光る(さっき水晶で分からなかったのはアリアスが特殊で強すぎる属性である時属性をイクスによって封印されるように設定していたからである)。  アリアスが「自分の見た目が目立つ」と言ったのは自分が天上最高神の位を持つ者だけが纏う光を纏っているからである。自分が老若男女、生者であろうと死者であろうと全ての者が必ず見惚れるほどの美形だという自覚は無い。美的感覚は正常だが自分があらゆることに関してすごいを通り越して異常というレベルであることを嫌っているため、せめて見た目は普通であってほしいという願望により自覚が無いのである。 『戻すって言ったってどうするんだ?』 「イクスを使うんだ」 そう言うとアリアスは手に握っていた剣、イクスを胸の前まで持ち上げた。  改めて、イクスを見てみるとアリアスの纏う光や太陽からの光によってまるでイクス自体が光っている様だ。柄の部分には金色で美しい模様が描かれている。それ以外の装飾は無いがアリアスが持つに相応しい美しい剣であり、とても神殺の剣イクスと言う名を持つ剣とは思えない(ちなみにイクスという名はEXTINCTION〔断絶という意味を持つ〕と言う言葉からアリアスがつけた名前である)。 『イクスを使ったらまた記憶なんかも全部封印されるんじゃないのか?』 「大丈夫だ。今度は前回とは別の方法で力を封印するから」 .
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