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弟の悲痛の叫びを最後に俺は死んだかと思ったが、
起床を促されるということはどうやら違ったようだ。
「早く起きよと言っている!」
しわがれているのにどこか若々しい声が聞こえる。
聞きなれない声だが……医者だろうか?
「えーい!もう辛抱できん!
起きよ!!」
ドゴスッ
ひときわ大きな声が聞こえるとともに腹に激痛が走った。
俺は、その強烈な痛みから、ようやく目を開いた。
「痛゛ェ゛ェ」
「ふん!ようやく起きよったか」
目を開いたことによって声の主が視界に入ったが見たこともない、じじいだ。
じじいは、変に縦長のハゲ頭で白いローブのような服を身に着けている。
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