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(秋姫千尋目線)
ト、
ト、ト、――…
ト、ト、ト、ト、――
???
「グッモーニン!
―…おお、俺の愛しい眠り姫よ!
朝だよ朝だ、君の目覚めを邪魔するのは無粋だが朝ならば起きないと…っ…て…?」
千尋
「おはよう、偲ちゃん。」
着替えを済ませていた私は目の前の人物を見る。
日向偲(ひゅうがしのぶ)
星奏学院二年生で私の昔からの幼なじみ。
一つ年上で両親が旅行で不在の時も、こうして私の面倒を見てくれたり世話をしてくれる明るいお兄さん的存在。
偲
「あらあら…もう起きてたの?
うーん、これじゃあ僕の方がお寝坊さんなのかな?」
千尋
「でも、まだ7時よ。
偲ちゃんも奏も今は春休み中なんだからもう少しゆっくりしていたらいいと思うの。」
偲
「――――…ん、
だからこうして千尋とゆっくり朝のお茶でも飲もうと思って来たのだけどね?」
千尋
「本当?」
偲
「イエス、マイスイートハニー…
千尋はスコーンとアールグレイでいいよね?
ああ、でも…その前に。」
そういって偲ちゃんが私の後ろの頭を撫でて髪をすく。
偲
「ここんとこ…はねてる。
身嗜みは女の子ならでは気を付けてね。
しかし……寝起きの君の癖毛もまた愛らしいのだけど…」
偲ちゃんは本当に軽いというか、飄々としている。
私は慌てて部屋を出て行く。
千尋
「あ、ありがとう……っ
……下に行ってるね」
何だか無性に恥ずかしかった。
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