002:逃走

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「アスク、平気かい?」 ほとんど無表情を保ったままで、青年は少年----アスクに声をかけた。 次々と聞こえてくる銃声と足音に恐怖を感じながら、アスクは無言で頷く。 それを確認した青年は 「…後少しで振り切れるよ」 語尾を跳ね上げ、目前に迫る水路を飛び越えた。 アスクにとって、その距離は大きい。 そのまま水に落ちるような錯覚に襲われ、一瞬、目眩がした。 が、青年が無事に飛び越えたのを知って、安堵の溜め息を漏らした。
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