002:逃走

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「待てっ!!」 後ろから追ってくる怒声と足音の洪水。 それに呼応するように、いくつもの銃声が辺りに木霊する。 青年は背後を一瞥して、口端を緩く吊り上げた。 かなり、余裕らしい。 微かな金属音と共にリヴォルヴァーを回し、銃口を後ろへ向けて素早く引き金を引いた。 一発。 二発…。 彼の銃が火を吹く度に、追ってきていた足音は着実に少なくなる。 しなやかで、無駄のない青年の動きが野生動物の獰猛さを思わせた。
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