003:出会イト郷愁

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「…いつまで続くのかな」 唐突にアスクは呟いた。 白み始める空が、柔らかな陽射しを車内に運ぶ。 青年は少年の小さな顔を覗き込んだ。 円らな瞳は静寂を堪えていて尚、憂いを帯びている。 「これ以上、ウォンに迷惑はかけられないよ」 その瞳が、青年----ウォンの姿を捉える。 抗い難い感情の波だった。 息苦しさと違和感が、胸に重く溜まっていく。
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