001:始マリ

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周りに人の気配はない。 静寂。 静かすぎるこの空間に、少年は安堵に似た気持ちを抱いた。 アスファルトの両脇に林立した建造物。 目の前に広がる世界は無機質で、あまりにも味気なかった。 自分の居るべき場所ではない、彼は思った。 この世界が広いのか狭いのか見当もつかないが、ここに居ても落ち着かない。 …じゃあ何処へ行けばいい? 果たして自分を受け入れてくれる場所など、この世界にあるのだろうか。
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