001:始マリ

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「君を探していた。…私と一緒に来てくれるかい?」 青年は歌うように言葉を紡ぐ。 刹那、少年の瞳の奥で光が揺れた。 肩を押し潰すような孤独感が徐々に取り払われていく。 「…どうして?」 困惑。 他人とどのように接すればいいのかわからなくて、出てきた言葉がそれだった。 「君を守りたい。…ただそれだけだ」 無表情であった青年の面に、微かにだが微笑みが浮かんだ。 思いがけない言葉に少年は目を見開く。 守りたい? 何故、見知らぬ者が自分を守りたいのか。 そして何故、自分なのか。 ありとあらゆる思いが頭の中を掻き毟り、少年を惑わせる。 が、少年は徐に頷いた。 自分の存在が初めて認められたのだとわかって。 be continue...
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