15人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
轟く銃声。
降り積もる雪の上に、いくつもの足跡と血痕が続いている。
交差し、離れ、重なり、何れの足跡もやがて結合されていった。
冴え冴えとした月明かりが、暗い路地に月影を射している。
銀世界に反射する月光が神秘的な光景を生み出していた。
二度目の銃声。
急に足音が慌ただしくなった。
「追え!奴を逃がすな!!」
右腕から血を流す男が怒声をあげ、走るのをやめた。
その脇を、彼と同じような者が次々と駆け抜けていく。
最初のコメントを投稿しよう!