002:逃走

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轟く銃声。 降り積もる雪の上に、いくつもの足跡と血痕が続いている。 交差し、離れ、重なり、何れの足跡もやがて結合されていった。 冴え冴えとした月明かりが、暗い路地に月影を射している。 銀世界に反射する月光が神秘的な光景を生み出していた。 二度目の銃声。 急に足音が慌ただしくなった。 「追え!奴を逃がすな!!」 右腕から血を流す男が怒声をあげ、走るのをやめた。 その脇を、彼と同じような者が次々と駆け抜けていく。
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