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張さんはコンビニのバックルームに入るとすぐにロッカーを動かした。 かなり重そうに見えたロッカーだが意外に簡単にスライドをする。 どうもそういった構造らしい。 スライドさせると壁に扉が見えた。 俺も学生時代にコンビニでバイトをしたことはあるが、俺の働いていた店にもこのような隠し扉はあったのだろうか? 「急げ!キリヤ!」 店内から金髪の声が聞こえる。 彼は店内で何かを見張っているらしい。 「さあ、早く!」 キリヤと呼ばれた張さんは俺の手を引っ張ると隠し扉を開け、その先に続く階段を降りようとした。 間違いなく誘拐される。 そう考えた俺は必死で抵抗しようとした。 「うわっ!なんだ貴様ら!」 店内から金髪の声が聞こえる。 慌てて店内を移した防犯モニターを見ると、黒いスーツを来てサングラスをした、いかにも悪の組織ですと言わんばかりの風貌をした男が三人店内に入り、金髪君にピストルのようなものを突きつけている。 「もう来たの?!まずいわ早く!」
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