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「私たちはこの迷走し始めた混乱を征して心眼の会道場拡大を図ります」
混乱に乗じて、の間違いだろう。
「そのためには真空様のお力が必要です!」
来た。
案の定、来た。
俺は……
1.「俺には関係のないことだな」
とクールに言い放ち桐谷の部屋を後にした。
2.「俺の命、あんたに預けてやる」
と熱く語り桐谷の細い肩を掴むと、ぐっと抱き寄せた。
3.「……」
なんと回答したらよいか解らず唯々諾々と流れに乗せられ厄介ごとに巻き込まれた。
1だ!1!
誰がなんと言おうが1!
必死に1を選ぼうとするがその選択肢にカーソルが合わない。
……どうせ厄介ごとに巻き込まれるんならせめて2!
せめて2をっっ!!
3.「……」
1も2も選ぶ度胸がなく結果的に唯々諾々と流れに乗らされた。
俺の沈黙を肯定と捉えた桐谷さんはぱぁっと顔を笑顔にし、俺の手を握り何度も礼を述べる。
俺が照れ臭そうにすると「あっすいません」といって桐谷さんは慌てて俺の手を離し、顔を真っ赤に染めてうつ向いた。
……まあ、なんだ。これがギャルゲーならきっと一番正解な選択なのかもしれない。
1番なんか選んだら死亡フラグたてるようなもんだ。
俺は無理にでもそう自分に言い聞かせていた。
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