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俺が店内に入るとレジにいた若い女性の店員は客の方も見ないで「イラッシャマセー」という、明らかに母国語が日本語ではないイントネーションで、心も籠ってないことだけはよくわかる挨拶をする。 店員は二人おり、もう一人は男でカップラーメンの補充をしていた。 こちらの男は髪を金髪に染めているが、間違いなく母国語が日本語であろう顔をしている。 適当な食べ物とホチキスの針をかごに入れ、足早にレジに向かう。 レジには先ほどの「イラシャマセー」の女子店員が無表情で立っている。 なんとなしに名札を見て「張さん」という名前と知った。 張さんはやや面長の顔立ちで大きな目、耳が印象的であった。 肌はきめ細やかで白く、黒く長い髪はサラサラと流れるように動く。 今時の日本人女性と中国の女性との大きな違いは、髪を一切染めず黒々とさせているところだ。 黒い長い髪が逆に現代の日本では新鮮に見えてしまう。 笑えば可愛いのだろうが能面のような無表情さはその美しさ故に、近寄りがたいものにしていた。image=420872152.jpg
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