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「そう言えば、君の名前、聞いてないんだけど」
「言わなきゃいけないの?」
なんで半ギレ……。
「俺は名乗ったじゃん」
ふぅ、と溜め息を吐かれた。
「アインよ」
「そっか、よろしくアイン。俺の事はレイでも何でも良いから」
名前を聞いただけで、謎の達成感を味わった。
アインの髪、白かと思ったけど、金色掛かってる。
俺も割りと明るい茶髪だけど、こんなに薄い、綺麗な色には程遠い。
病気って言っても、悪い事ばかりじゃないんだな。
「なぁ、こんな日陰に居ないで、あっちの方行ってみようぜ。花とか咲いてるみたいだし…」
「無理よ」
話している途中に、きっぱり言われた。
「無理、って歩けないとかじゃないよな?家からここまで来たんだろ?」
「無理よ」
また言われた。
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